●製作年:1920年 ●素材:パリアン粘土（長石） ●サイズ H:13.5cm W:4.cm 装飾: E.M. Fildes 19世紀後半は磁器芸術のラッシュとなりました。 イギリスも技術を伸ばして開花し、様々な美しい作品が生み出されて行きました。ロイヤルウースターもイギリス陶器の筆頭として、人気を博します。そして1890年頃になると、”ブラッシュアイボリー”が誕生します。如何にもアールヌーヴォーを彷彿とさせる色調は美しいですね。 材質はこの時期のイギリス食器で大流行した”パリアン粘土”が素材となっています。 長石を主とした成分で、粘り気があり複雑な造形も製作可能だったようです。このままだと一般窯では、無釉磁器でビスキュイのような感じですが、ブラッシュアイボリーの場合の秘訣は、最後にかける象牙色の釉薬で、これがあることで、まるで大理石のような高級な質感を再現できています。製造にも複雑なプロセスを踏む為、価格もそれなりに高価だったようです。 当時、中流階級の人々は自室を磁器で埋め尽くすということに躍起になっていた為、こぞって流行り始めた百貨店に皆が足を運んだといいます。 カケやワレ、そしてイギリス食器にありがちな貫入も無い、良いコンディションです。磁器時代全盛期の人々を魅了した逸品をこの機会に。。一輪挿しですが、挿す花の方が負けてしまいそうです…